
戸部一丁目の交差点のすぐ近くにある郵便局の右隣が今、空き地(駐車場)になっている。昔はここに確か、何かのお店があったような記憶がある。店とはいっても、何かの小売店ではない。確か不動産屋だったような記憶が。。。
小学生の頃のある日、その交差点で信号待ちしていると、一緒にいた友達が信号が青になるまでの待ち時間を利用してイタズラを企てたいと耳打ちしてきた。彼が指差す不動産屋の入口の引き戸が半開きになっており、中を覗くと店主であろう50-60歳代の婦人が美味そうにアンパンをパクパクと頬張っているではないか。友達は、青になる直前に引き戸を全開にして「アンパンよこせぇ〜っ」て叫んで逃げようぜ、と持ちかけてきた。要するに今でいうピンポンダッシュの原型。今のように全ての家屋にピンポンのブザーがないので、扉を手動で開けて叫び、ダッシュで逃げようという寸法だ。
えっ、そんなことするの、と驚きを隠せない私をよそ目に、彼は信号が変わる直前、おもむろに扉を開き、「ババァ〜がアンパン喰ってるぅ〜ッ」と当初の予定とは違うセリフを叫んだ。そして、青になった途端、学年で五本の指に入る脚力を誇る彼は、楽に逃げ去ることができた。もちろん、のろまなカメの私は婦人にあっさりと捕らえられ、連れ込まれた事務所内で一緒にいた私も同罪だとこっ酷く叱責を受けたうえ尻を定規で叩かれるなどの体罰を受け、数十分後にようやく解放された。
解放後、とある場所で彼と再会。彼は開口一番、「おめぇ〜何捕まってんだよぉ〜、だっせぇなぁ〜」だって。彼のいたずらを止められる立場にありながら止めなかった私も同罪といえば同罪なのかも知れぬが、どうも釈然としない。
して、その彼は今でも西戸部町に居住していると聞いている。