2007年06月24日

トンだ聞き違い

The president and Mrs. Bush are in the front row at a Yankees game, surrounded by Secret Service agents. Before the game starts, one of the agents whispers in the president's ear, and Mr. Bush smiles and nods. Then he grabs Laura Bush by the scruff of the neck and heaves her over the railing. She falls 10 feet onto the field, cursing all the way before landing in a heap in the dirt. The president raises his arms triumphantly and gets high-fives from fans all around him. Then the agent leans over again and whispers, "Uh, Mr. President, I said they want you to throw out the first pitch!"

ブッシュ大統領がネタになるジョークはよく耳にするが、合衆国大統領夫人、即ちファーストレディーさえも一部巻き込まれてネタにされる場合もある。注目したい語は、大統領の「smiles and nods」と夫人の「cursing」、それからこのネタの最大のキーワードでもある最後に登場する「pitch」。。。

シークレットサービスの耳打ちを聞き違いした大統領だが、観客の声援などといったノイズで聞き漏らしなども考えれば、本来であれば聞き直すの普通。が、大統領はごく自然に「smiles and nods」をしながら、ビックリ仰天の行為に及ぶ。一本気な男の夫人に対する日頃の愛情を垣間見た気がする。ここで使っている一本気とは、「頑な」という形容動詞に置き換えていただいても差し支えないと思う。

予想にもしていなかった夫の行為が元で、ただただなす術もなく自分の身体がフィールドに叩きつけられるのを甘んじて受けることに対し、ローラ夫人はただ黙っていたわけではない。重力に従ってフィールドに落下するまでの間、夫に対する日頃の鬱積したものを休む暇もなく「cursing」したのであろう。なんだか、一種の同情という感情さえ抱きそうになるローラ夫人だが、これはあくまでもネタの世界。

そして、このネタの「種」は、最後のシークレットサービスの言葉に登場する「pitch」という語で一気に明らかになる。語頭の「p」が、周りの声援や雑音にまみれて有声音化してしまうということはよく起こり得ることで、無声音が有声音に挟まれると有声化するというのは音声学上でも明らかなこと。となれば、当然ながらトンでもない意味に解されても仕方があるまい。が、それでも疑わなかった大統領の一本気な考えは、ある意味、高く評価されよう。

我が耳を疑わない真っ直ぐな気性の夫に対し、きっと打撲負傷したローラ夫人も「彼なら仕方ないわ」と理解を示したかもしれないし、また夫に対して畏敬の念を再確認したかもしれない。。。はたまた、「私だからわざと聴き間違いたのかしら」と疑惑を生じさせることにもつながったかもしれない。しかし、こればかりは、大統領のみぞ知る。
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